『楽しい』より強いものって何かあるかな。LIGのいいオフィスで考えた素朴な疑問。
こんにちは。SATTYです。
今日はとある取材のため、1日外を出歩いていました。天気がいい日(しかも平日)に外を散歩できるというのは、至福の極みでありますね。
待ち合わせの時間ギリギリだったので、超絶ダッシュだったんですけども、行ってきました。LIGの「いいオフィス」。
ご好意で中を見学させていただきましたが、なんとまぁ・・びっっくり。噂には聞いていましたが、ヒラメキを発生させるにふさわしい場所でした。
ここには書けないんだけど、いろいろお話しをしていて思ったことがあります。つくづくと。
この人たちは『働く』を楽しんでいる。そして、『楽しい』は強い。
『楽しい』は強い
これまでの人生、いろんなことがありましたが、「いいもの」が生まれる時って、だいたいが携わる人みんなが楽しんでいる時なんですよね。
アドレナリンが出まくっていて、誰かが止めないと、ずっと夢中でそのことばっかり考えている。そんな時。そういう瞬間に立ち会えることって、ものすごく幸せだなと思います。
昔、舞台のスタッフをしていたとき、こんなことがありました。公演が近づくと、役者さんはもちろんですがスタッフもかなり過酷なスケジューリングで動くんですね。
立ち稽古に付き合うのはもちろん、照明の確認、小道具のセッティング、音響チェック、転換の確認、その他もろもろ。1日中の立ち仕事で、体力も消耗するし、緊張感もはんぱない。
ぴーんと張り詰めた空気の中で、とびかう怒号。まぁもう、ぐったりですよ。それなのに、終了後に飲みにでかけると、みんなその「続き」を始めるんです。
あの場面は、こうした方がいい。この演出を明日試してみよう。さっきまでキレまくっていたごっつい照明のおっちゃんが、目を爛々とさせて、大笑いしながら、本番に舞台で上演されるだろう世界に夢を見るんです。明日も早いんだから、早く寝りゃーいいのにね。
今でこそ定時がある仕事についている私ですが、そのころは、一日中働いているみたいなもんでした。公演が近づくと、確実にやせるし。今全然やせないけど。
楽ちんだったかって聞かれたら、どんでもないと答えます。キツかった、かなり。
じゃぁなんでそんなことやってたの?って言われると、『楽しかった』から。それに尽きると思うんですよね。
あのときの同志だった、怖いおっちゃんも、他のスタッフも、もちろん役者さんも、みんな楽しかったんだと思う。あの時間を、めちゃくちゃ愛していました。
そしてその中で作り上げられた作品は、理屈抜きに、心が震えるほどの価値あるものだったと思う。
『できる』ことより『楽しい』ことを追求したい
結局のところ、どれだけ目の前のことを楽しめるか、だと思うんです。もちろん、楽しいとキツイは、一緒にやってくることもあるけど。
楽しんで仕事してる人は、いいもの持ってくるし、楽しんで恋愛してる人は、いい関係築いてるし、楽しんでる笑顔なんて・・最強じゃない?
楽しいから乗り越えられるし、楽しいから追求したくなる。あとは、自分の細胞が「楽しい」と叫べる何かにたどり着けるか。それだけなんじゃないかなって。
あると思う、どんだけ楽しんでも突き進んでも、辿り着けない場所っていうのも。でもその過程がその人にとって猛烈に楽しかったんなら、最終的にその人生楽しかったってことで。やっぱり幸せじゃないかな。
できるかできないか、よりも自分の感覚を信じて生きてみたいやん、そんなことを考えたとある一日。
いや〜しかし、「いいオフィス」最高だった。また行こう。
それでは、今日はこの辺で。また、次のお話しで。
西荻窪でお一人様グルメ紀行。『フレンチカレーSPOON』のオリジナルカレー
食は万里を越える、どこかの誰かがそう言っていた。王将超好き。
今日も胃袋にこんにちは。SATTY@グルメレポーターです。
本日訪れるお店は、西荻窪にあるカウンター11席だけのカレー屋さん『フレンチカレーSPOON』。さぁ、束の間の食紀行をお楽しみいただこう。
カレーと空腹の相性
ものすごくとてつもなく腹が減った時に、食べたくなるものとは何だろう?私は迷わずカレーライスと答えたい。今日はカレーだな、と脳が反応したとき、それ以外の選択肢はだいたいが出番を失うものだけど、私の場合、脳に合図を送っているのは空っぽの胃袋だと思っている。
空腹の胃袋に流し込まれるスパイスのファンタスティック・イリュージョン。訳すると、たまんねぇ、うまい。鼻から感じる刺激は食欲を最大限に引き出し、やつらは完全にその欲求を満たしてくれる。
家庭の味ももちろんたまらないけれど、手をかけて育てられたお店のカレーも素晴らしい。ここのシェフさんは、どんな手をつかって楽しませてくれるわけ?誰にでも作れる一皿だからこそ、料理人の腕がためされるもんだ。
フレンチカレーSPOON
さて、西荻窪にある小さなカレー屋『フレンチカレーSPOON』は、少し小洒落た店である。ガラス越しに見える店内には、カウンターのみ。年配の夫婦や、女性2人組がワインを片手にカレーを楽しむ姿がうかがえる。
正直いって、お一人様初心者さんには、やや難易度が高い。そもそも「カウンター」×「フレンチ」という組み合わせが敷居をあげる。ただこの組み合わせが女心にヒットするタイミングというものもある。おそらくこの日は、西荻窪というシチュエーションがそうさせた。
一人歩くはじめての街。のんびりと喫茶店で戯れた文庫本に描かれた日常。夕暮れが迫る赤紫色の空。そのすべてがこう言う。下手なもん食べて帰るんじゃぁないぞと。
ちょっとだけ贅沢で、お一人様の夜を満たしてくれる、今日という日の終わりにふさわしい食事。それが今日の『フレンチカレーSPOON』。
お一人様、おもてなしします。
店内に入ると、お一人様の不安はたちまち消える。カウンターの中から、落ち着いた笑顔を向ける店員さんたち。気持ちのいい食事は、気持ちのいい店でこそ味わえる。
おそらくかなりお一人様を歓迎してくれる店だろうと思う。ふらりと立ち寄って、お酒とカレーと、ちょっとおしゃべりを楽しんで帰りたくなるような、そんな雰囲気。
丁寧に説明してくれる店員さん、普段より少しだけ笑いかけたくなるもてなし。決して広い店内ではないけれど、ギュっとつまった感じがまた居心地よい。
大人とオードブル
このお店の特徴は、本格的なオードブルを楽しめるところだ。季節のスープ、白レバーのムース、フォアグラのフラン。フレンチ出身のシェフによる前菜たちは、見た目にも美しく、かなり気合の入ったそろえぶり。ちょっと気取って「いい気持ち」になりたい時には、ぜひオススメしたい。
私がチョイスしたのは、『トマトのムースとレモンのジュレ(¥790)』。グラスに盛り付けられたそれは、なんとも涼やかで、よく冷えた透明なグラスごしに鮮やかなトマトの赤がそそる。
一口・・・・・・んふ、うまい。
レモンジュレは優しい酸味であっさりと溶ける。そしてその下にあるトマトムースは滑らかで少し濃厚。ねっとりと舌に絡みつく。
お一人様が、カウンターでオードブル。大人の階段、3段くらい登った瞬間。
よくできた前菜は、その後のメインディッシュへの期待感をいやが上にも高めてくれる。
フレンチカレーは気が強い
ついにおでましの看板メニュー『フレンチカレー(¥930)』。ちなみに2/3サイズ(¥730)も用意されているのが嬉しい。オードブルを楽しみたいならこのサイズがちょうどいいあんばいだろう。
カレーのてっぺんでテカテカと光っているのは、牛肉の赤ワイン煮。ホロホロというか、トロトロというか、ホリュハラ・・ハヒン、という感じに解けていくほど柔らかい。ご飯は13穀米、好みで白米にも変更できる。
想像していたフレンチカレーは、どちらかというと濃厚甘めだったのだけれど、あなどるなかれ。これがなかなかのスパイシー娘。コク深いが、香りが立つシェフの味。なかなか家庭では再現できそうにない。いい意味でかなり癖がある個性的な仕上がりだ。
前菜でクリーミーに潤った舌先に、ビシっと攻めてくる気の強さ。・・すき。
ゆっくりと口に運び、しっかりと噛みしめ、ちょっと斜め上あたりを眺め、ほどよい人の賑わいを感じる。
今・・贅沢な時間、流れとるやん・・。
『フレンチカレーSPOON』の、プチ贅沢ディナー。
ごちそうさまでした、また来ます。
本日のお店
フレンチカレーSPOON
ブログ書くのと外部メディアのライターさんってやっぱ違うのかな。初めての寄稿でぶつかった3つの壁
こんにちは。SATTY@真面目です。
最近ですね、ブログ初心者SATTYはこのブログの外のサイトに何本か記事を書かせていただきました。 一つは本業からみ、もう一つはブログを通じてお知り合いになった『Hu-media』さんというサイトです。とても貴重な経験です。
本業の方は、ちょっとここには書けないのでスルーして・・・今日は『Hu-media』さんに寄稿させてもらって感じたことを書いておこうと思います。
人間らしさを見せていくメディア『Hu-media』
私は、何か専門的な情報をがっぽがっぽ持っているわけではないので、テーマを深堀して記事を書いていくのがとても苦手。超苦手なんです。
なので、ライターさんって、本当にすごい。本業ではプロのライターさんたちとお話しすることもあるのですが、みなさん強烈な強みを持たれていますね。
専門分野に特化していたり、とにかくユニークで面白い発想を持っていたり。だって、依頼をする側になる私の立場からしても、やはりそういう強みを持たれた方に頼みたいですからね。そういうライターさんは強いんですよ。
とまぁ、そんなわけで自分ブログだけで満足していた私なのですが、知ってしまったんですねェ。『Hu-media』というサイトを。
このサイトのコンセプトはずばり「人間くさい」こと。編集長の長野さんの記事から紹介しますね。
これだけ、ITとかネットが便利になってきたからこそ、大事にしたいのが、それを使う側の人間。
どれだけ時代は変わっても、どれだけ技術が進歩しようとも、人間の本質は変わらない。
喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、驚き、憎み、裏切り、愛し、眠る。
飾ったり、飾らなかったり、そんな人間ありのままの姿をメディアで伝えていく予定よ。
-『Hu-media』編集長 長野さんの魂の名言より
なんか・・・・すごい好きやん。
このテーマに非常に魅力を感じまして。ここで、書かせてもらいたいなぁと思ったんです。「人間らしさ」は、このブログでもずっと書き続けたいことの一つ。私が感じる、悩みや発見もすべて「人間らしい」感情です。たぶん。人間だし、一応。
ちょいやーっと勇気を出して、めでたく寄稿させていただくことになったのですが、そこでいくつかぶつかりました。壁に。
テーマについて悩む
このブログは雑記日記ブログなので、それはまぁ好き放題書いているわけですね。日常の妄想もあれば、家族へのラブレターもあれば、突如プチ小説が出たりと、その日の気分であるがままです。
おかしなことになっても、それも私の記録かなと思える。
だって私のブログだし。
そうなんですよ、当然なんですけど自分のブログは自由の塊なんです。特に私のような日記ブログの場合は、その傾向が強いかもしれません。
ところが、外のサイトに記事を書くとなると、やっぱり考えちゃいますね。そのサイトのテーマとか、目指したいものはなんだろう、どういう記事がいいんだろうと。
Hu-mediaさんの場合は、ありがたいことにフリーテーマだったのですが、それでもいろいろと悩んでしまって、これを書こうかなと決めるまでに、結構時間がかかっちゃいました。これまでと違った種類の迷い。ビビりなんです、私基本的に。
無難なところにいこうとしてしまう
自分ブログでは、突如妄想モードに突っ走ったり、変なキャラが憑依したりするのですが、これー、やっちゃっていいもんかなぁと。気がつけば、ものすごい真面目に書いていましたね。
おそらく、本当は自分らしい記事をエントリーする方が、「人間らしさ」につながるんじゃないなかなと思うものの、「おいおいおいおいおいおい、勘弁してよ〜」となったらどうしよ!と不安になっちゃって。
しかも、『Hu-media』の読者さんもいらっしゃるわけでね。あー、守りに入ってるねー、ビビってる。マジでビビってる。
喜んでほしいと思う気持ちは、チョモランマくらいうず高く積みあがっているのですが、居心地のいい自分の世界とはちょっと違う緊張感がありました。
記事の体裁がめちゃくちゃ気になる
これは、本来自分のブログでもやっておくべき話なのかもしれませんが、誤字脱字はもちろん、構成とか、タイトル・小見出しとか、普段完全に勢いでやっていることを、あらためてもう一度見直しました。
運営者のJUNICHIさんは、ブログマーケッターとして活躍されていて、とてもわかりやすい「記事の書き方」エントリーをあげていらっしゃるので、そこで勉強し直しまして。これがその記事。マジでわかりやすいです。
どうにかこうにか書き上げて、ポチっとする前に、もっぺん見直して、ちょっと一息いれて、もっぺん見直して。真面目か!!!!とツッコミました。
そんなこんなで、なんとか入稿完了し、晴れて公開されたのがこちら!
「毎日、惰性で生きてます」とは、親が聞いたら泣いちゃいそうなタイトルですが、そこはまぁ是非記事を読んでほしいなということで。
SATTYの初チャレンジはこうして幕を閉じたわけです。
まとめ
今回外に出てみて、やっぱり自分ブログと寄稿は違うなぁと思いました。自分ブログでしかできない面白さもあるし、外で書くのも刺激的。どっちも、違う楽しみ方がある。
自分の持ち味をその場所にしかない枠の中で生かせればいいんだろうな。
とてもやってみて良かったなと思いました。普段よりも数倍、考えた気がするし。どうにかして質を上げられないかなと悩んだ時間は、 確実にプラスになると思う。文章を書くってこういう緊張感を感じるもんだなぁと、発見でした。
また、書きたいと思います。その時はもうちょっとリラックスして自分の色を出せたらいいなぁと。
長野編集長から、嬉しいコメントももらえたし、HAPPY♪
この記事超面白かったわ。 「私、毎日惰性で生きてます」自分を変えたいと願ったある女性に訪れた10の変化 http://t.co/Opv2dMywvg http://t.co/UTTSQiZSu9 pic.twitter.com/1TjHu7XeQE
— Hu-media編集長 長野 (@Hu_media01) 2015, 6月 7
それでは、今日はまじめに振り返り。
また、次のお話しで。
【物語を作る企画 最終回】凡人はスタートラインで、まだ終わらない夢をみている
こんばんは。SATTY@ノーマルです。
今夜は打ち上げです。仕事は定時でサクッと切り上げてね、帰り道がまだ明るいとか奇跡に近い。それだけでテンションがあがりました。普段帰るころにはしまっているお気に入りの喫茶店で、今日はスペシャルディナーです。
なんの打ち上げかって、ここ1週間ほど取り組んだある「勝手にブログ企画」です。
その1
その2
長らく小説を書きたくても書けなかったSATTYノ介氏が、とにかく何か最後まで書いてみようという企画でした。書きたくて書けないなら、書かなきゃいいじゃんと悲しいことは今日はやめましょう。意外といると思うんですよ。「書きたい」のに「書けない」人。
何冊そういった類の教則本を買ったかわからない私が言うんだから間違いない。
さて、今日はその最終回となる記事を書こうかと思います。せっかくの打ち上げなのでね、一人ぽっちも寂しいですからね。今日はゲストをお迎えしましょう。
もちろんこの方!妄想作家のSATTYノ介さんです!
SATTYノ介(以下、介さん):ただいまご紹介にあずかりました、SATTYノ介でございます。このたびは、みなみなさまに多大なご声援をいただき、誠に感謝の念でいっぱいでございます。
SATTY:おつかれさまっしたーーー。ちなみに、SATTYノ介さんは、大層な名前がついているにも関わらず、その1の序盤で違うモードに入りキャラが固まりきらなかったという悲しい方でしたー。あれですかね?とりあえず文豪的な方を想像したキャラになりたかったということでいいんですかね?
介さん:いかにも。ただ、文豪がなにしゃべるかわかんないんで、もうその辺は適当でいっす。
SATTY:かしこまりました。すいません、脱線しました。では、そろそろ聞かせていただきましょう。この1週間いかがでしたか?
介さん:そうですな・・・
夢中になって周りが見えなくなることは嬉しい
何度か思いました。やめときゃ良かったなーって。なんか違うこと書きたいなーとか思っても、これ終わらせないと次いけないし、ここまできてやっぱヤンペとか無理だしっていう謎のプレッシャー?いや、本当にバカみたいなんですけど、本当に締め切り迫る!みたいな感じでした。
でも、終盤にきて終わりが近くなると、「よし、次は結末!」「どうせなら絵も描いちゃえ!」って、どんどんワクワクしていって、気が付いたら夜寝る時に、明日がくるのが楽しみになっていたんです。そんな風に思ったのって、いつぶりだろう?
昨日夜遅くに、ポチっと投稿ボタンを押した時は、寂しくなりました。終わっちゃったーと思って。もう考えなくていいんだなぁ、と。
よく何かに没頭して周りが見えなくなる、とか言いますよね。冷静になれって意味も含まれてると思うんですけど、私それは悪いことじゃないなぁって思ったんですよ。
周りが見えなくなるくらい没頭できることがあるって、嬉しいなぁって思ったんですよ。
例えばこういうブログを書いていても、音楽に打ち込んでいても、アニメが好きとか、寺が好きとか、何でもいいんですけど、人に理解されないことって往々にしてあるじゃないですか。理解されたい、反応がほしい、とか思うじゃないですか。でも、それって反応のズレがあればあるほど、自分の熱量と相手の熱量に差があるってこと。
人よりたくさんの情熱を持てる「好きなもの」が見つかったってことなのかもしれない。
人は私のやっていることに、私と同じほどの興味がない。そんなに熱くなっていないんだもの。これがあーで、それがこーでってどんなに語っても「お・・おぅ」ってなります。当然です。
それは、それだけ私が「好きなことに夢中になっている」っていう証拠じゃないかなと思うんです。嬉しいことじゃないですか?好きなことに夢中になれるって、嬉しいなぁ。
昨日は記事をアップする直前まで深夜のファミレスで、空き缶の写真を見ながら、絵の具セット広げてカンカンの絵を描いていたんですけど、隣の人「何してるのこの人」って目で見てました。
私は今間違いなく隣の人よりも、この話を作るのに夢中だ!って思ったらにやけちゃったんですよ。私は何かに夢中になりたかったんです。
スタートラインに立ってから考えればいいのだ
小説が書きたい!って思ったくらいですから、私もそれなりに「才能」のあるなしについて考えたことがあります。そういうことを考えると、いざ自分の書いたものが、面白いのか面白くないのか、気になりますよ。もちろんです。
書き終わってすぐに、Dスケ氏に連絡して感想をもらって反省会までやっちゃったくらいです。Dスケさんは「三幕構成(ストーリーの作り方で学んだ物語作りのセオリーの一つです)」のことも知ってたし、ダメだしというか課題点もいろいろ言ってもらいました。
それで思いました。書いたから、こんな話ができているんだなぁと。
公開してから、いろいろな方が読んでくださって、感想をくれたりしました。とにかく、読んでくれたんだ、ってそれだけで嬉しかった。夢でしたから。
褒められなくても、全然ダメだよ、でも、とにかく「やったから」読んでもらえた。
完成されたものじゃなくていいんです。かっこ悪くて当然。たくさんの人が認めてくれなくてもいい。だって、スタート地点にやっとたったんだから。そこから目指せばいいんですよね、もっとカッコよくなれるように。
これまでずっと書けなかったのは、私が凡人だったからです。でも、夢中になれるほど好きだということはわかった。それで十分です。
「やりたい」と「やった」の間にある、大きな壁はそこにあると思うのです。ここがスタートラインだと、私は思うのです。
SATTY:(コックリ、コックリ)・・はっ!
介さん:聞いてました?
SATTY:聞いてませんでした。
介さん:いいですよ、もう。
SATTY:語りましたな。
介さん:語りましたね。
SATTY:良かったですね。
介さん:はい、心から。
さて、まだまだ夜は続きますが、今日はこのへんで。
また、次のお話で。
小説を書けない妄想作家がお届けする7分間のラブストーリー「恋缶。」解禁!
最初に
この物語は、小説を書けない妄想作家志望のSATTYが、なんとかして「処女作」を書ききるという企画によって作られた物語です。読み苦しい点があるかと思いますが、どうぞお楽しみいただければ幸いです。
これまでの振り返り
前回は、ストーリーを作るために『三幕構成』というものを知り、作りたいお話を整理しました。今回は、その構想を元に、どうにかして一つの物語を書いてみようという実践編です。
(参考:「物語」の作り方入門ー妄想作家は処女作を書くことができるのか!?【ストーリー編】)
また、今回のお話を作るきっかけとなったのは、こちらのお話です。これから始まるのは、この短いお話の続きの物語となります。
(参考:土曜日の空き缶回収の準備をしてたら、空き缶のブルースが聞こえてきて超切ない)
おもな登場人物
- ティーズティー
紅茶。やさしくて物静かな女性缶。タリーズブラックとの恋が忘れられない。 - タリーズブラック
ブラックコーヒー。知的な紳士。甘いマスクの男性缶。 - BOSS
5年前の空き缶仲間のリーダー。やさしいおじさん缶。 - 紅茶花伝
ティーズティーの友人のミルクティー缶。
これまでのあらすじ
5年前、とある家のゴミ袋の中で出会った空き缶仲間たち。一夜だけの忘れられない時間をすごした彼らは、やがてそれぞれの場所へと旅立って(回収されて)いった。
その夜運命的な恋に落ちた二人(缶)、タリーズブラックとティーズティー。「いつか二人(缶)で新しい飲み物をつくろう」と約束を交わし、離れ離れになった二人は・・・。
7分間のショートストーリー『恋缶。』 by 妄想作家見習い・SATTYノ介
一章 彼の面影
ちょうどあの夜も、今日のように生あたたかい風が吹く5月だった。
誰もが宴の終わりの予感を感じながら、白んでいく朝の空から目をそむけ、口をつぐんでいた。 甘ったるい紅茶と麦の匂いが混ざり合った、お世辞にも快適とは言えないゴミ袋の中で語られた小さな夢は、大きなゴミ収集車にあっけなく飲み込まれ、ちりじりになっていった。
あれから何年かが過ぎ、世の中の大概のことは受け入れられるぐらいに大人になっていた。叶わない夢があることも、結ばれない恋があることも、十分すぎるほどに知ってしまった。それでも時々、思い出したかのようにあの夜の光景が甦るのは、平凡な人生の中で唯一輝いていた過去の自分への未練なのか、それとも忘れられぬ恋人への執念なのか。
ティーズティーは、そんなことを考えながら段ボールの中でゴトゴトと揺れていた。もう何度目かの出荷。若かりし頃に抱いていたような胸の高まりは、いつからか失ってしまった。コンビニの棚に陳列され、どこかの誰かが気まぐれに購入し、飲み干されたティーズティーはゴミ箱に捨てられ、そしてまた再生される。何度も繰り返されてきた変わりばえのない日々が、また始まるだけだ。
あの夜、ゴミ袋の中で出会った仲間達とは、あれ以来出会うことはなかった。いつか一緒に新しい世界を作ろう、と甘い言葉を囁いた恋人とも。
彼は優しい男だった。真っ黒なボディとボトルキャップは、洗練された都会の男の色気を感じさせた。突然訪れた運命のような出会いに、ティーズティーは夢中になり、コーヒーと紅茶の新しい飲み物を作るんだと、熱のこもった瞳で語る彼の言葉を信じた。別れの時はすぐに訪れたが、たった一時の情熱的な恋は、ティーズティーの人生(缶生)から長い間失われることはなかった。
「次に出会った時には」「いつか君と二人で」
期限のない不確かな約束を頼りに、出荷先のコンビニ棚で、買い物かごの中で、ゴミ袋に溜まった空き缶の中で、ティーズティーはいつも彼の姿を探した。似たような背格好のブラックコーヒーを見つけて、跳ね上がるほどの胸の高鳴りを感じたこともあった。そして、それが別ブランドの新製品であると知った時には、それまで以上の喪失感に襲われた。
数ヶ月前ぐらいからか、もう彼には会えないのかもしれない、とティーズティーは思うようになった。それは、これ以上傷つきたくないという防衛本能だったのかもしれない。忘れたい、とはまだ思えなかった。だけど少なくとも、忘れた方が楽になれる、ということを知るには十分な時間が過ぎていた。
段ボール箱が開封され、光が差し込む。どうやら、出荷先についたらしい。一本また一本と缶たちが陳列棚に並べられていく。ティーズティーの体が持ち上げられ、冷えた陳列棚が目前に迫ったその時、彼女の目に信じられない光景が飛び込んできた。
胸が大きく波打つのがわかった。何年も夢にまで見たロゴマーク。すっと背筋の伸びたたたずまい、小さなボトルキャップ。彼と瓜二つの姿で陳列棚に並ぶ、若いコーヒー缶。
ーそんな・・・まさか・・・。
鳴り止まない鼓動と、混乱する思考の中で、ふいにティーズティーの脳裏に、遠い日に投げかけられた彼の言葉が蘇った。
「君と僕で新しい飲み物をつくろう・・ミルクは多めがいいね」
見間違いかもしれない、ティーズティーは何度もそう思った。しかし、先ほど目に焼き付けてしまった光景は簡単には消えてくれず、ティーズティーはあまりにも酷な現実を受け止めるしかなかった。あれは、彼、タリーズコーヒー・ブラックのまぎれもない息子だった。
二章 訪れる絶望
それからしばらくのことを、ティーズティーは覚えていない。自分がどのようにして買われ、誰に飲まれたのか。気がつけば公園のゴミ箱の中にいた。淀んだ五月の空からは、冷たい雨が降り始め、パタパタとティーズティーの体に当たっては小さな音をたてた。
ーみじめ。
ティーズティーはつぶやいた。何年も何年も、たったひとつの言葉にすがり、平凡すぎる毎日に淡い希望を抱いていた。いつか恋人と運命的な再会を果たすのだ、そうすればこれまでの時間は報われる。もう一度あの恍惚とした時間の中で、誰よりも幸せな缶になれるのだ。
そう信じていたかっただけ。ティーズティーに答えなど必要なかった。そうすれば、永遠に夢を見ていられたのだから。
かつての恋人の温もりも甘い言葉も、とっくに別の誰かのものになっていたことを知る、あまりにも突然で冷酷な出会い。目の前に現れたバリスターズ・ラテは、ティーズティーと彼が叶えるはずの夢そのものだった。
ーミルクたっぷりの・・甘さ控えめの・・・大人の飲み物・・・そう、言ってたわね。
冷たい雨に紛れて、ティーズティーは声を殺して泣いた。このまま少しづつ忘れ去っていければ良かったのに。答えを知らないままに、風化した想い出にしてしまえれば良かったのに。
とめどなく流れる涙に、まだほんの少しも忘れられていなかった自分を思い知り、波のように押し寄せる胸の痛みと向き合うしかなかった。時の流れは残酷だ。ティーズティーただ一人(缶)だけが、あの夜から動けずにうずくまる。かつての恋人は、もう手の届かないところにいると、この時初めて思い知った。
しばらくぶりに会った友人に、思わず話し始めてから後悔した。ただ、ティーズティーの頭の中は、数日前の出来事に埋め尽くされていて、それ以外の言葉が出てこなかった。
「昔の恋人の、子供を見ちゃったんだ。」
友人の紅茶花伝は、目を丸くして驚いた。
「え?昔の恋人って・・タリーズブラック?」
他人(他缶)の口から彼の名を聞くと、また胸がじわっと疼いた。
「信じらんない、最悪。忘れた方がいいよ!彼、なんかちょっと気障ったらしいところあったし。都合のいいことをいろんな女に言ってたんだよ、きっと。離れて正解。他にもっといい人(缶)いるって。忘れよ忘れよ。ほい、元気出せって!缶オケ(缶が自分の体をポコポコ鳴らす遊び)でもする?」
「そうだよね、もっといい缶いるよね」
乾いた笑いで適当な相槌を打つのがティーズティーの精一杯だった。恋人を失った自分に慰めの言葉をかけようとしていることは、理解している。ただ、どうしようもなくこみ上げる嫌悪感に、目眩がした。
目の前で喋り続ける友人の声が聞こえない。あの夜投げかけられた言葉も、確かに感じた感情すらも、偽物にしなければならないのだろうか。
お前に何がわかる、そう心の声が叫んでいた。そうして、面倒臭い女になった自分が醜くて惨めで、涙がこぼれそうになるのを必死に笑いながら堪えた。こんな日がいつまで続くのだろうかと、明日が来る絶望に恐ろしくなった。
三章 ゴミ袋の再会
何も考えずに、流れに身を委ねてさえいれば、日常は勝手に過ぎ去っていく。走り出した列車のように時は前にしか進まず、ティーズティーの心だけがどこか遠くに置き去りになったまま。空っぽの体は、いつもと同じようにゴミ袋に投げ込まれ、カランと小さな音をたてる。
聞き覚えのある声に、振り返るとそこには懐かしい顔があった。
「・・・・BOSS」
パイプをくわえた相変わらずのしかめ面に、溜め込んでいた何かがプツリと切れた。気がつけばティーズティーはBOSSの体に顔をこすりつけ、子供のように泣きじゃくり、この数日のことを、醜い自分の感情を、ひたすらに吐き出し続けていた。BOSSは驚きと哀れみの後、じっと黙ったまま、疲れ切ったボロキレのようなティーズティーの叫びに耳を傾けた。
「少しは落ち着いたかい?」
優しい声がした。低くて太いしゃがれ声が、荒れたティーズティーの心に染み込む。こんな声だった・・遠い日のゴミ袋の匂いすら蘇るような気がした。
「ごめんなさい・・みっともないところを見せてしまって」
「かまわんよ、少し驚いたけどね。君がそんなに取り乱すところを見たことはなかったから」
そう言って、豪快に笑うBOSSの温かさが嬉しかった。
BOSSはしばらくの間、ティーズティーの肩をカンカンと優しくたたき、こう続けた。
「なぁ、ティーズティー。ここから先は独り言なんだけど、この家の主人はコーヒーがすきでなぁ。毎日いろんなコーヒーを飲むんだが、土曜の午後はタリーズブラックの日なんだよ。俺は知ってるのさ、もう何度もここには来ているからね。」
思いがけないBOSSの独白に、ティーズティーは思わず目を見張った。
「そして、ティーズティー、今日は金曜だ。間違いない、明日の午後タリーズブラックはここにくる。君は、どうしたい?」
「・・・・・」
「それから大事なことがもう一つある。明日の早朝は空き缶回収だ。このままここにいたら、君も俺も回収される。タリーズには会えない。」
BOSSはそう言って、ティーズティーの顔をじっと見つめた。心のうちを読まれているようで、ティーズティーは思わず顔を背けた。
「もう一度言うよ、ティーズティー。君はどうしたい?このままでは、君はタリーズには会えない。また歯車が噛み合うまでの長い長い時間を過ごすかい?それならそれでもかまわない。君が決めることだ。ただ、もういいだろう。もうそろそろ、動かさないといけないんじゃないか?君の時間を」
ティーズティーは混乱する頭の中で、ただ確かに、一つしかない答えを知っていた。その答えを選択しなかった時に訪れる、後悔も。
「会いたい・・タリーズブラックに会いたい。」
絞り出すように呟いたティーズティーの言葉に、BOSSは笑った。
「よし、いい子だ。そうと決まれば話は早い。いいかい、ティーズティー。この袋の隙間から転がって、あの角に隠れてな。なに、この家の主人はズボラなやつで、そこの角まで気にしたりはしない。いつもあの辺に、2、3缶転がってたりするんだ。そしたら、静かに待ってるんだよ。午後になればきっと、タリーズブラックが来るはずだ。」
「BOSSは?BOSSも残ってくれるんでしょう?」
「バカなことを言うなよ。せっかくの再会に水を差すようなことはしないよ。俺は大人しく、回収だ」
不安気な表情を見せるティーズティーに言い聞かせるように、BOSSは語り続けた。
「なぁ、ティーズティー。この世の中には、たくさんの缶がいるんだぜ。俺はもうそりゃぁいろんな缶に出会ってきた。その中でもさ、あの夜は特別な夜だったよなぁ。あん時俺は、缶でよかったなぁって思ったよ。本当さ。こんなにたくさんの缶がいるのに、俺たちは一つの袋の中で出会えたんだ。それは、君とタリーズだって同じだろう?」
BOSSのしゃがれ声は、遠いところから聞こえてくる祈りにも似て、ティーズティーの凍りついた感情を溶かしていった。背中を優しく押し出され、ティーズティーは袋から床へと降り立つ。
言われた通りにカラカラと体を転がすと、部屋の隅っこにある扉の影に身を潜めた。ちょうどその時、主人の大きな手がBOSSの入ったゴミ袋を持ち上げ、取っ手部分を縛り上げる。半透明のゴミ袋から、こちらを見つめるBOSSの優しい顔がうっすらと見えた。
「ティーズティー、またな!タリーズによろしく言っといてくれ!出航ーーーーーーー!」
その声は、あっという間に遠くへと消え去り、ティーズティーは訪れた静けさの中で、BOSSの大きな愛情を噛み締めた。
四章 歩き出す時間
何時間たっただろう。いつの間にかあたりは明るくなっていた。差し込む日差しが眩しくてティーズティーはうっすらと目を開ける。夢と現実の狭間のようなぼんやりとした意識の中、そこに凛と背筋をのばす黒い影を見つめた。背後から差す光で顔が見えない。けれど、ティーズティーにはわかった。もう何年も思い焦がれたその影が、誰なのかを。
「タリーズブラックね・・やっと会えた」
それだけで十分だった。積み重ねてきた思いは言葉にすらならず、心が穏やかに満たされていくのを、ただ感じていた。
それから一週間、ゴミ袋の中で二人(缶)はいろいろなことを話した。これまで見てきた景色のことを、出会った缶たちのことを。何を思い、何を感じて生きてきたのかを、話し続けた。離れていた時間を埋めるのはたやすく、あの日と同じ二人(缶)がそこにはいた。ただ一つの事実をのぞいて。
「ええ。・・知ってるわ」
タリーズブラックは、一瞬驚いた表情を見せ、やがて頷いた。
「素敵な、ラテね。」
「・・ありがとう。」
ティーズティーは自問自答を繰り返していた。自分が伝えたかったことは、こんなことだったのだろうか?泣き叫び、苦しんだ日々があった。なぜ裏切ったのかと、言葉の限りを尽くしても足りないくらいの悔しさに眠れない夜があった。
彼女はどんな人なの?
私よりも好きなの?
同じように愛を語ったの?
私のことは忘れてしまったの?
聞きたかったはずのどの答えをもらえば、自分が満足できるのかがわからなかった。何を言われても、辛くなるだけのような気がして、こみ上げる言葉は形にならずに消えていく。
ー私たちは、あの夜には戻れない。
互いに積み重ねてきた過去は、消えることはないのだ。すべては、過ぎ去った。
「僕のいるコーヒー業界に、ミルク革命が起きてね、いろんなところでラテが生まれた。僕も、その一人だった。僕は、ずっと・・」
「・・やめましょう。」
ティーズティーは、自分でも気がつかないうちにそう言っていた。
タリーズブラックで埋め尽くされた、日々。流れるままに、色のない景色の中で彼の姿ばかりを探していた自分。ティーズティーは、真っさらになりたかった。自分の意思で、もう一度前へと歩きたかった。
「一つだけ聞いてもいい?」
ティーズティーは、ゆっくりと振り返り、変わらないボトルキャップの下の優しい眼差しに問う。
「あの夜、あなたがくれた時間は、ずっと変わらないよね。」
タリーズブラックは、彼女の目をじっと見つめ、ゆっくり微笑みうなずいた。
どれだけ願っても叶わないことがある。どんなに辛くても変えられない過去がある。ただ、信じるべきものを胸に刻み、歩き出した先に見える世界は自分だけのものだ。
そうして2度目の別れが訪れる頃、進みだした彼女の時間に、静かな夜明けの光が差し込んでいた。
物語の作り方入門ー妄想作家は処女作を書くことができるのか!?【ストーリー編】
こんばんは。妄想作家志望のSATTYです。代表作はまだありません。
これから代表作を作ろうとしています。今まさに。今回は、小生のリアルな作品作りの過程をすべて丸ごと書いてやろういう企画。
小生は、それはもうはるか昔から、物語というものに憧れをいただき続け、妄想作家を志ざして、はや100余年。「志ざしは常に高く」をモットーに書けない日々を送り、枕を涙で濡らし続けてきたで候。源氏物語、ちょー好き。
そんな小生に救いの声がかかりました。大好きな、現代でいうところの「ブログ」を執筆されている方から、物語作りの参考書を紹介いただいたのです。そこで小生は初めて知りました。「三幕構成」というものが物語作りの世界ではブイブイいわせていることを・・。
三幕構成とは?
簡単にいうと、物語を「セットアップ(設定)」「「葛藤・展開(対立)」「解決」という3つの役割をもった幕で構成するということ。
- セットアップ・・・いつ、どこで、誰が、何をする物語かを伝える
- 葛藤・展開・・・・主人公が様々な困難を乗り越える過程、物語の醍醐味
- 解決・・・・・・・物語のクライマックス、結末
そして、この3幕の間にはAとBの二つのターニングポイントが訪れます。
- A・・・主人公が物語のゴールを目指すきっかけとなる出来事
- B・・・いわゆる山場。この直後にクライマックスが訪れる一番の興奮ポイント
そしてクライマックスを盛り上げるためにやるべきことが一つ。それは、Bの直前で、「クライマックスとは逆の困難をぶつける」ということです。
例えば、クライマックスがラスボスを倒すことなら、それとは真逆に絶対絶命のピンチが主人公に訪れる、という具合。それによって、ハラハラかーらーのーハッピーーーー!!!が訪れ、見る人はいと楽し、となります。
このような構成に沿って作ることで、オレンジで書かれた曲線のように、テンションが盛り上がり退屈しない「面白い」物語に仕上がるというわけであります。
ものすごく、簡素に説明してしまいましたが、小生はこのように理解しておる次第です。この「三幕構成」を使ったら、面白い物語ができるんですって。そうなんですって。
・・・ホントに?小生にも・・・?できるの・・・?
三幕構成を実践してみる
題材
さぁ、やっと本題に入りました。実はですね、小生は今書いてみたいお話があるのです。ことの発端は、これを見つけてしまったからでしょうか。
勘のいい読者の方ならおわかりかもしれませんが・・・過去にSATTYが書き散らしたとある物語を覚えているでしょうか。そう『空き缶のブルース』。まさかのリターン。
→土曜日の空き缶回収の準備をしてたら、空き缶のブルースが聞こえてきて超切ない
- SATTYのDREAM LIFE!
ここに空き缶キャラクターの一人(缶)としてタリーズコーヒーブラックが登場し、なんと伊藤園ティーズティーというミルクティーと、ほのかな恋が始まりかけます。
※お前は一体、なんの寝言を言っているんだというキミ。もし暇だったら、元のお話を流し読みしてほしい。
空き缶のブルースを作ったSATTYという人は、きっと二人(缶)は結ばれるんだと思いながら、書いていたんだろうと小生は思います。ところがですよ。ところが!
タリーズコーヒーは、あろうことか「ミルク」と結婚して、「ラテ」という子供まで生まれてしまっていたのです・・・。わかりますか?ついてこれてますか?
ラテはコーヒーとミルクでできているんですよ。コーヒーとミルクティーではできないんですよ!・・・切ない。なんと切ないじゃぁありませんか・・・。
そこで小生は思ったのです。彼らの恋の物語を、完結させてやらねばならん・・と。
あらすじをつくってみる
では早速、今回の物語の大枠を組み立ててみましょう。
<SATTYが今回挑戦する物語>
- 誰が・・・主人公(ティーズティー)が、
- いつ・・・空き缶のブルースから5年後
- どこで・・・とある町で
- 誰と・・・タリーズブラックと
- どのように・・・苦悩を乗り越えて
- 出来事・・・過去の恋を終わらせる
- なぜ?・・・ずっと忘れられなかったから
という胸キュンな妄想物語を作りたい。小生は。
三幕構成にあてはめてみよう
さきほどの三幕構成に沿って考えるとこんな感じになりました。
物語を大きく動かすターニングポイントとなる事件は・・・?
- A・・・ラテを見つける!まさか、この子は彼の子・・・!?
- B・・・タリーズブラックと再会!忘れていたはずの恋が・・・
葛藤・展開部分を考えてみる
なんだか、物語らしくなってきたような気がスル・・・。どうでしょう?興味わきます?
「葛藤・展開」部分の苦悩を乗り越える、という点をもう少し掘り下げてみます。ラテを見つけたあと、ティーズティーは果たしてどのような気持ちと葛藤するのか・・・
- 忘れたつもりでいた過去の恋を忘れていなかったことに気づく
- 本当に彼の子供なのかが気になる
- ラブラブだった時を思い出してしまう
- ラブラブだった時の彼の愛は嘘だったのかという疑心暗鬼
- 彼の気持ちを確かめたい
- でも彼にはもう会えないという絶望
今のところ、こんな感じでしょうか。この気持ちが、タリーズブラックとの再会という山場を迎え、どのようなエンディングを迎えるのか・・・あぁ、涙なしでは語れない!!
そして、ターーーイムリミット!!といわけで、第二夜につづく。
つづきは、次のお話で。
本企画の参考資料
映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術
- 作者: シド・フィールド,安藤紘平,加藤正人
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2009/03/31
- メディア: 単行本
- 購入: 55人 クリック: 290回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
ハリウッド映画の巨匠たちが、大きな影響を受けているという物語作りの理論を、たくさんのハリウッド映画を題材に使いながら、解説してくれる本書。あの名作は、確かにこの構造で出来ている・・・と、目からウロコがひらひらと。
生徒たちとディスカッションしながら作品を練り上げていく過程も描かれており、非常に刺激的です。
こちらは、小生のような「書けない」生徒たちの悩みを一つづつ解決しながら、物語作りを進めてくれるまさに入門書。穴埋め式のシートもあって、難しいことはよくわからん・・という小生でも楽しめる書でした。
駆け出しのブログ書きと、中堅編集マンが一夜限りの文章談義。私が「書く」ことにこだわる理由。
・・・っしゃーせーーーー・・・ ・・
いやー・・・・きゃーはー・・
・・・
週末の夜である。ここは大衆居酒屋。
安さとうまさを実現した、庶民の憩いのオアシス。 私は、ストローのささったジョッキグラスに並々と注がれた、乳白色のミックスジュースを堪能していた。ここのミックスジュースは絶品だ。
そして、私の前にはDスケさん(とある会社の中堅編集マン)。今夜もこのブログの主役は彼である。彼はもう残り少なくなった生ビールで喉を鳴らし、ご機嫌な様子。
申し遅れました、SATTYです。こんばんは。帰省中の大阪より愛を込めて、今日は暑苦しい夜の居酒屋談義をお届けします。今日のテーマは、そう「物を書く」ということ。
誕生間もないひよっこブログの管理人SATTYと、各地を飛び回り雑誌編集に精を出す中堅編集マンのDスケさんが、焼き鳥片手に繰り広るトーク&トーク。どうぞ、チャンネルは、そのままで。
・・・
Dスケ:SATTYは、ブログよう続いてるやんか。ええこっちゃ。夢中になれるのはええこっちゃやな。
SATTY:楽しいねん。いろんな人がコメントもくれるねんで。
Dスケ:すごいやん!
SATTY:みんなブログ書いてはるからな。多少わけわからんこと書いても、読んでくれはるねんけど、もっと広く読んでもらうには、ちょっとわけわからなすぎるかもしれへん。
Dスケ:そうかぁ。頑張らなあかんな。
SATTY:うん。(パリポリ←キャベツ噛む)
ここで、レバー登場。我々はレバー好きである。タレが焦げたはしっこが、好き。
Dスケ:でもすごいなぁ。SATTYは、ようそんなに書くことあるなぁ。俺は書かれへんわ。
SATTY:好きなようにめちゃくちゃ書いてるだけやで。
Dスケ:好きなように書けるってゆうんはスゴイことやで。俺は仕事で、いっぱい書くけど、好きなように書けって言われたら・・どうやろう。書けへんな。
SATTY:なんで?
Dスケ:色々変に知ってしまったんかな。例えば「今回はあの手で書こう」「ここはこうやな」とか、流行りの文章とか、全部狙って書いてるみたいになるからな。なんでもそうやで。結婚式のスピーチとか手紙でも。ホンマの自分の言葉ってどこにあるんやろうって思ってしまうねん。それやったら何も書かんと、その場で思ったことをしゃべる方がマシや。自分の言葉で好きなように書けるっていうんは、スゴイことやで。
・・・
Dスケさんが言っていることが、私にはちょっとわかる気がした。まだ始めたばかりのブログとはいえ、最初の1ヶ月頃は、なかなか楽しむのが難儀だった。
人のブログは山のように読んだし、ブログの書き方とか、考え方とか、漁るように読んでいた。もともと本を読むのも好きだったし、文章というものが好きだったことも手伝って、寝落ち寸前の半目状態でスマホを握りしめ、飢えた魚のように情報を得ようとしていた。
「この文章は素敵だ」「こういうブログがいいのか」「こんな風に書いてみたい」
情報はあっという間に、私の思考回路に影響を与え出す。そしてそのうち、がんじがらめの情報の縄の中で、身動きがとれなくなるのだ。次に何を書けばいいのか、わからない。次の言葉が出てこない。なぜって、自分の言葉がわからなくなったから。
その縄が少しずつゆるまって、自分の好きなことを少しづつ書けるようになって、人にどう見られるかという呪縛から、少しだけ解放された時、書くことが楽しくなった。
すると、「それが君の文章だ」と言ってくれる人が出てきた。そうしたら、自分の言葉を書くことは、小さな自信に変わっていった。
・・・
Dスケ:SATTYは文章が好きなんやな。それがようわかるわ。
SATTY:うん。好き。
Dスケ:なんでそんなに好きになったん?
SATTY:うーん・・・そう考えたら、他にこれって言えるものがないんかもしれへんな。音楽やってたとき(SATTYは学生時代音楽を勉強していました)も、これが正解なんかな?って考えながらやってたから、かっこ悪い演奏になるのが怖かったし、WEBデザインも、ひたすら人の作ったものを見て、人が作ってほしいものを聞いて作ってたし。自分の中にあるこだわりとか、そういうものはあんまりなかってんな。
今は、SATTYの頭の中にバァーって物語があってな、それを文章にしてるから、私の世界を書くのに、私が書いているもの以外の正解はないやんって思うねん。だって、私の頭の中を書いてるんやもん。
・・・・
私はきっとライターさんとかにはなれないんだろうなぁと思う。憧れた時もあったけれど。例えば、雑誌とかWEBメディアでもそうだけれど、食事や場所や物、情報を紹介するのに長けた人の書く物を見ると、あまりに魅力的なその「伝える力」に嫉妬する。
わかりやすく、そしてそのものの魅力をありのままに自分だけの言葉で書き綴る。それが私にはできないのだ。
私が「お話」と称して、ブログを書くのにはそういう理由がある。私が空想好きで物語を書きたがるのにはそういう理由がある。目の前で起きた出来事も、頭の中でもう一度再生しなおす。自分だけの世界で物語というある種の創作物に変換しないと、自分の言葉が生まれてこないのだ。
・・・
Dスケ:そう考えたら、フィクションも悪くないな。
SATTY:Dスケさん、ノン・フィクション好きやんか。
Dスケ:そうやけど、俺も脚本とか書いてたからなぁ。脚本やったら、自分の言葉でかけるような気がする。
(注:Dスケさんは学生時代映像を勉強していました)
SATTY:脚本書いたらいいやん!
Dスケ:書こうかなぁ。
SATTY:うんうん!
・・・
世の中に、私たちのように作品を創造することに憧れる人は山のようにいるんだろう。そうして、日の目を見ずに、諦めていく人も山のようにいるんだろう。それだけ、何かを創造するということには中毒的な力があると思う。
想像は無限だ。自分の頭の中で、もう一つの世界が生まれ、たくさんの人の人生が始まる。数多の人生が交差する。これ以上の創造が他にあるだろうか。
・・・
Dスケ:何かを伝えたいとか、メッセージとか、そんなことよりもな、映像でも本でも、その箱の中で最高に「ウツクシイもの」を見せれたら、いいよな。いい映画はさ、なんのセリフがなくても、そのシーンの美しさだけで、感動できるんやで。
SATTY:ハッてなるやつやろ。細胞が感じるやつやな。
Dスケ:そうそう。ハッてやつ。
SATTY:そんなん作れたら、最高やなぁ。
Dスケ:そうやなぁ。
・・・
こうして、夢見る大人の夜は更けていく。ここは大衆居酒屋。安さと旨さを実現した庶民の憩いのオアシスだ。1本100円少々の、うまい焼き鳥を片手に、そろそろ重くなるまぶたを通して、果てしなく広がる遠くの夢を見つめてみるのも、たまには悪くない。馬鹿馬鹿しい儚い夢だと、たとえ誰かが笑ったとしても。そんな夜だった。
それでは今日はこの辺で。
また、次のお話で。