SATTYのDREAM LIFE!

人生はたくさんの夢と物語でできているのだ。空想と妄想がつまった私の日記。

「立ちそば」で気付いた、人に本物の価値を提供するということの意味

こんにちは。SATTYです。

今日はね、とある駅の構内にある「立ちそば」屋さんで晩ご飯を食べた時の話なんですけども。1分で読める、今日の小話を良かったら読んでみてください。

そば

一人暮らしと晩ご飯とダシの関係

普段単身赴任をしている私は、自炊の「じ」の字が、だいぶと遠ざかっていまして、毎日弁当やらファミレスやらで晩ご飯食べてるんですよ。それはそれで美味しいんですけれど、毎日続くとまぁ飽きてきますよね。なんていうか、ダシ?日本?の味に枯渇してくるわけですよ。実家に帰った時に、「あぁ、おっかぁのご飯はうまい」っていうアレ、おそらく私が推測するに、9割はダシの味にやられてるんですよね。ウチの場合は本ダシですよね。まぁ、あとの1割はやっぱり理由のないおふくろの味なんですけど。

それでまぁ、ダシの話はいいんですよ。母の話もまた今度。それで、私ははずかしながらおそらく人生で2・3回目くらいの「立ちそば」屋にふらふら〜と引き寄せられたんですよ。「立ちそば」といったら、そら8割はダシの匂いでできていますから。私のダシ需要と物の見事にマッチしたわけです。

「立ちそば」は最初の一口で人を幸せにする

いわゆる食券を買うタイプのお店なんですけど、ちょっとびっくりするくらい混んでまして。天そばの食券を握りしめて、私は席が空くのを待っていました。いや、この時点でちょっと矛盾でしょうか。「立ちそば」なんですけど、ちょっと高級タイプなのか、カウンターらしきイスが並んでいるタイプです。それは「立ちそば」とは言わん、と怒られてしまいそうですが、何ぶん初心者なもので。そこはご容赦ください。

やっとこ席もあいて、お目当ての天そばも出来上がって、いそいそと私はカウンターのイスに座りました。基本的に周囲は男性一人客がメインで、たまにチラホラと女性客の姿もありました。ちょっと小奇麗な「立ちそば」だったもんですから。あっちゃこっちゃに花のオブジェ的なものが飾ってあるような。いや、ですからほんとに「立ちそば」なんですってば。

私はほぼ初めての一人「立ちそば」デビューなわけで、ちょっとばかりソワソワしてたんですよね。そういう時の悪いクセなんですけど、周りをキョロキョロ見ちゃうんですよね。たまに「なんだ、お前は。何を見ている」と言わんばかりのおじちゃんに見つかったりするんですけど、なんだか落ち着かなかったものですから。

それで、とにかくそばを食べてみたんですけど、これが予想以上にうまくてですね・・・。おそらく、枯渇していたダシ欲求に染み渡ったんだと思うんですけど、日本を感じましたよね。「・・う・・・あぁぁぁ」と思わずため息が出たくらいです。ほら、今日結構寒かったじゃないですか。

「立ちそば」屋で周りを見回して気付いたこと

しばらく夢中でそばを食べていて、気付いたんですけど。「立ちそば」屋って、他の客ももの凄い集中力でそば食べてるんですね。

「・・・・ずずっずずっ」

「ふぅぅぅふぅぅぅ、ずっずずっ」

「じじゅじゅ・・じじゅ」(ダシのんでます。これは)

と、耳をすませばそばサウンドが5.1chサラウンドですよ。迫力の臨場感ですよ。よくよく考えたら、普通のことなんですけど、「立ちそば」っておしゃべり楽しんだりする場所じゃないですもんね。ただ人間の本能のままに純粋にそばを食す場所なんですよね。みんな、頭の中そばのことしか考えてないんですよ。今。

しかもですよ、完全に食事のためだけに入ってきているわけですから、おそらくみんなめっちゃ「そば食べたい」って思って入ってきてると思うんですよね。まぁ、「そば・・かな」ぐらいの人も2割くらいいるかもしれないですけど、それでも今日はそばで行こう、って決めた人たちばかりじゃないですか。それで、そう言う気分の時にダシすすったら、まぁ8割9割の人は「うまっ」ってなると思うんですよ。前述の私みたいに。「・・う・・・あぁぁぁ」ってなると思うんです。

ということはです。20人弱くらいしか入らない店内ではありましたけど、ここにいる人今、ほぼみんなそばのこと考えて、ほぼみんな「うまっ」って思っているわけじゃないですか。20人の心のベクトルを合わせにいってるわけですよね。そばってすごいわ。「立ちそば」屋さんってすごい。そう思います。

1杯350円に詰め込まれた、人を幸せにするという価値

仕事とかしていると、特に私なんかは、Web関連の仕事でやってきていたもので、形がないものを作って売ってお金をいただいているんですよね。もちろん、好きでやってきた仕事なんですけれど、時折怖くもなるんです。私は何を売っていて、誰に価値を提供していて、この価値を決めるのはいったい誰なんだろうかと、考えてしまうことがありました。

もちろんお客さんが決めることなんですよ。お客さんの事業にとって役に立てばそれが私の仕事の価値なんです。ただ、例えばものの1時間程の作業で作り上げた形のないものに、何万円ものお金が発生したりすると、時々自分の価値観がおかしくなりそうにもなるのです。そういう時にふと、1杯350円程のそばで、腹を満たしてくれて、「うまっ」って思ってもらえる「立ちそば」の価値って素晴らしいなぁって思ったんですよね。それでもって、腹一杯になったお客さんに「ウマかった!」って声かけてもらえたりなんかすると、その瞬間誰かを幸せにしてることを、ものすごい実感するんじゃないのかなって思うんですよ。

・・・とかまぁ考えていたら、そばもすっかり平らげちゃいまして。そろそろ次の人に席をゆずらなきゃなと思うんですが・・・さっきからちょっと斜め前のおっちゃんが気になってまして・・・。白いこじゃれたジャージを着ているおっちゃんなんですけど・・。カレー・・食べてるんですよね。いや、ありました。ありましたよ券売機には。そばやのカレー。美味しいでしょ、きっと。ダシ効いていますから。でもねぇ、この表情見ているとね・・きっとこの人後悔してると思うんだな。「・・う・・・あぁぁぁ」ってできなくて、「あー、しまったなぁ・・」って。

立ちそば屋で「ウマい」以外のこと考えてる唯一の人だわ。多分。

 

おまけ

日常の中にも、物語があふれているもんである。そばやでちょっと幸せになれた今日の話でした。とかいって、ホントは何書こうかとウロウロしたあげくに藁をもすがるつもりでそば屋にすがった話です。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!

それでは、また明日のお話で。