SATTYのDREAM LIFE!

人生はたくさんの夢と物語でできているのだ。空想と妄想がつまった私の日記。

コミュニケーションの無駄ってどこからどこまで?悩むおっちゃんの紙芝居「桃太郎とかぐや姫のコミュニケイツ」

パラピ〜〜パラピ〜〜〜〜♪

ヨシオ「あっ、紙芝居のおっちゃんや」
ヨシコ「おっちゃん、キターーーーーー」

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・・・・ザシュッッ・・・・舞い上がる粉塵。

埃をかぶった紙芝居のおっさんの登場に、子供達は歓声をあげてワラワラ笑笑と集まってくる。満を持して、おっさんは声高らかに叫んだ。

「ええかっ、おまいらっ!おっちゃんがこれからな、エェ話を聞かせたる!これからおまいらが大人になって、デキるやつになるために大事なことやっ!よう聞かないかんで!」

ヨシオ「今日はなんの話や?桃太郎か?」
ヨシコ「わたし、かぐや姫がええわ」

「くぁーーーーっ!何いうてんねん!おっちゃんがこれから話すんは、ビジネスメーンのコミュニケイツの話や!」

ヨシオ「なんやそれ。おもろいんか?鬼出てくるか?」
ヨシコ「姫でてけぇへんのやったら、私あっちでブランコする」

早くも興味を失いかけている子供達を食い止めるために、おっさんは妥協する。なんせ彼らがあんず飴を買ってくれないことには、今日の売り上げがパァである。

ぐぬぬぬぬ、わかった。わかったわ。鬼も姫も出したる。そやからとりあえずあんず飴買うて、そこに座り。なっええ子やから!」

なだめすかして、なんとか子供達を座らせたおっさんは、お手製の紙芝居を前に、エヘンと一つ咳払い。やがて朗々と話し始めた。

紙芝居『桃太郎とかぐや姫のコミュニケイツ』

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むかぁしむかし、というか今の今。あるビジネス街に、ほんにゃらコーポという会社がありました。その会社は、ホームページを作る仕事をしていました。

 

ヨシオ「ほーむぺーじて何やねん」
ヨシコ「スマホでいっつも見てるやつやろ。」
ヨシオ「あぁ、あれな。」

「やっかましいのぅ、茶々入れんと静かに聞いとれや。」

 

ほんにゃらコーポには、AチームとBチームがありました。Aチームのリーダーは、山田花子さん。Bチームのリーダーは佐藤太郎さん。二人は・・・

 

ヨシコ「姫出てけーへんやんか!うそつき!」

「うるさいなっ!間違えたんや!」

 

ゴホン、ええと、Aチームのリーダーはかぐや姫。Bチームのリーダーは桃太郎でした。二人は、クライアンツのために、いいホームページを作ろうと一生懸命頑張っていました。

かぐや姫は、仕事が早いと評判で、ほんにゃらコーポの出世レースでも、頭一つ抜けていました。一方の桃太郎は、人の良さで愛されながらも、話し下手で少々頼りないところがありました。

 

ヨシオ「桃太郎、あんましカッコよくないなぁ」
ヨシコ「かぐや姫は、かしこいからな!そんでそんで??」

 

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ある代理店から鬼ヶ島パークのホームページ制作という大型案件が入り、ほんにゃらコーポでは各チームで提案をまとめ、鬼ヶ島の本コンペに持っていくということになりました。納期は2週間。

久しぶりに入った大型案件に、かぐや姫も桃太郎も張り切りました。

 

A:チームかぐや姫のミーティングの様子

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かぐや姫「どんな意見でもいいから、ざっくばらんに意見を出してみて」

姫部下1「鬼ヶ島パークの魅力はなんといっても、鬼ヶ島城でしょう。鬼ヶ島城内をツアー体験できるようなスペシャルコンテンツを作ってみてはどうでしょう」

かぐや姫「たとえば?」

姫部下1「ええと・・・順路を選択していって・・・」

かぐや姫「具体例、根拠を用意して発言してね。それから普通すぎる、他は?」

姫部下2「鬼ヶ島パークの各エリアにある宝物を集めていくゲームを仕込んでみては?」

姫部下3「レアアイテムとかあったら面白いね」

姫部下4「僕、今やってるゲームでどうしても欲しいアイテムがあるんですけど、夢中ですよ、課金しちゃいそうですよ」

姫部下5「わかるー、課金しちゃうよね、僕昨日・・」

かぐや姫「その話、今関係ないよね?時間限られてるから、効率的にいこうよ」

姫部下「・・・考えてきます・・・」

かぐや姫チームは、無駄な話をすることなく、きっちり1時間のミーティングを終え、各自が宿題を持ち帰ることとなりました。

 

B:チーム桃太郎のミーティングの様子

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桃太郎「ブレストしましょうか。とりあえず、なんでも発言してみてください」

桃部下1「鬼ヶ島パークの魅力はなんといっても、鬼ヶ島城でしょう。鬼ヶ島城内をツアー体験できるようなスペシャルコンテンツを作ってみてはどうでしょう」

桃太郎「いいねーおもしろいね」

部下1「実際にアトラクションにライドしているような感覚を持ってもらえたらいいんですけどね」

桃太郎「うんうん、それって動的コンテンツでどこまでできるかな」

桃部下2「・・・みたいな動きとか、・・・・みたいな動きは結構リアルにできますよ」

桃部下3「レアアイテムとかツアー中に集められたら面白いね」

桃部下4「僕、今やってるゲームでどうしても欲しいアイテムがあるんですけど、夢中ですよ、課金しちゃいそうですよ」

桃部下5「わかるー、課金しちゃうよね、僕昨日ついに課金しちゃった」

桃太郎「へぇ〜思わず課金しちゃいたくなる感覚ってどんな感じ?」

桃部下5「たとえばですね・・・・」

桃太郎チームのディスカッションは、夜遅くまで続きました。

 

A:チームかぐや姫の途中経過

ーMail:各位、エクセルシートに意見を記入のこと。締め切り3日後。fromかぐや姫

 

B:チーム桃太郎の途中経過

桃太郎「なぁみんな、こないだ部下2くんが言ってた動的コンテンツのデモができたんだけど、すごいんやってーー、ちょっと見てくれへん見てくれへん?」

桃部下1「おぉっ、すげーーーー!」

桃部下2「いやぁ、簡単なデモやけど・・テレテレ」

桃部下3「これ、ここにこういう仕掛けあったら、面白くないです?」

桃部下2「あ、それいけそう!」

桃太郎「よし、やってみよか。」

ートゥルルルル・・・

桃太郎「桃部下4くんか。おれおれ、桃太郎。メールでも返信したんやけど、昨日くれたアイディア、めっちゃ面白かったわぁ。ありがとうな。うんうん、あははは、面白いな。うんうん、それでそれで・・?」

 

かぐや姫チームは、限られた時間の中で効率的に運営を回し、もちろん納期までにきっちりと提案をまとめてきました。一方の桃太郎チームは、いつも部下たちと話をしてばかり。ミーティングに費やした時間はかぐや姫チームの2倍以上。周囲が心配になるくらい、コミュニケーションに時間を費やしていました。納期に間に合わせるために、無理もしました。

そして・・・運命の2週間後。

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鬼ヶ島で行われた本コンペの結果、惜しくも両チームとも勝ち残ることはできませんでした。

 

ヨシオ「なんや・・・両方あかんかったんか」
ヨシコ「鬼でてけぇへんかったしな」

 

おっちゃんは思いました。

 

ヨシオ「おっちゃん出てきてもーた」

ヨシコ「唐突やな。」

 

両チームとも結果は実を結びませんでした。じゃあ、時間をかけた桃太郎チームよりもかぐや姫チームの方が人件費に換算して考えると損失は少なかったんかもしれへんなぁ。

桃太郎は、おっちゃんが見ていても、なんや非効率やなぁと思うような場面も多々ありました。そやけど、一見無駄なんちゃうやろか、と思えるようなコミュニケイツを取り続けて、気がつけばチームのみんなは桃太郎をすっかり信頼し、それはそれはいいチームになっとった。

チームのみんなが鬼ヶ島のコンペに敗れたことを泣いて悔しがり、次こそはと目を輝かせて語り合ってな。一方のかぐや姫チームはどうかというと・・・みんな与えられた仕事はキッチリこなすんや。そやけど、それ以上の何かが生まれることは、あるんやろうか?

結果的に、二つのチームは両方ともあかんかった。でも、チームに残ったものには大きな差があるような気がするんや。

なぁ、おまいら・・おっちゃんは思う。コミュニケイツはどっからどこまでが効率的で、どっからどこまでが無駄なんやろうか。

しょうもない話を、くだらん話を、熱く熱く語り合えるチームは、一朝一夕にできるもんやない。そやけど、ものすごいもんを生み出すのは、いつだってそんなチームのような気がするんやけど、おまいらは、どう思う?

 おっちゃんは仕事ができるようになりたかったんや。おっちゃんは鈍くさかったから、仕事がバリバリ、できるようになりたかったんや。

仕事ができるって、なんやろうか?

ヨシオ「おっちゃん・・・そんな目でオレらを見るなよ」

ヨシコ「にいちゃん、帰ろ。もう晩ごはんやわ。」

 

長い長いエピローグを語り終えた紙芝居のおっさんは、すっかりと赤く染まった夕焼けを見上げ、誰もいない公園でつぶやいた。

「おっちゃんは、どうすれば良かったんやろうなぁ・・。」

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パラピ〜〜パラピ〜〜〜〜と切なげな音を鳴らし、紙芝居は次の街を目指す。

仕事ができるビジネスメーンになりたかった紙芝居のおっさんの過去に、果たしてなにがあったのか・・・。

 それでは、今日はこの辺で。

また、次のお話で。