SATTYのDREAM LIFE!

人生はたくさんの夢と物語でできているのだ。空想と妄想がつまった私の日記。

泣いた赤鬼は、三回泣いた

こんにちは、SATTYです。

今日は、人の優しさに触れるできごとがありました。とてもいい1日でした。

落ち込んでる時、辛い時、悲しい時。もう二度とこんな気持ちは味わいたくない、そう思うのですが、そういう時だからこそ感じられることがあると思うんですよね。人から差し伸べられる手の温かさもその一つ。そうして感じたぬくもりの体験が、またその人の優しさにつながっていくのかな。

『泣いた赤鬼』というお話をご存知ですか?浜田廣介さんの児童文学で教科書にも掲載された有名なお話です。

泣いた赤鬼 (絵本)

泣いた赤鬼 (絵本)

 

 泣いた赤鬼あらすじ - Wikipedia

このお話にでてくる赤鬼は、悲しい悲しい体験をした時、友人である青鬼の勇気ある優しさに救われました。そしてそれから赤鬼は、どうしたんだろう。今日はそんなお話です。

泣いた赤鬼は、三回泣いた

山の中に1人の赤鬼が住んでいました。赤鬼は人間たちが大好きで、ふもとの村には人間の友達がたくさんいました。

ある日、1人の男の子が赤鬼の家をたずねてきました。

「赤鬼さん。僕とお友達になってくれない?」

赤鬼はこたえました。

「もちろんいいとも。村の子供たちもよくここに来るんだよ。君も一緒にあそびにおいでよ」

すると男の子は悲しそうに首を振りました。

「僕にはお友達がいないんだ。僕が弱虫だから、みんな僕とはあそびたくないんだって。」

ポツリとつぶやく男の子を見て、赤鬼はシクシクシクシクと泣きました。赤鬼には、男の子の悲しみが手に取るようにわかりました。

「よし、それならこうしよう」

赤鬼は男の子にある計画を話しました。赤鬼が怖い怖い顔で男の子に襲いかかる。男の子がそれを勇敢にやっつける。そうすれば、もう誰も男の子に弱虫なんて言わなくなるだろう、というのでした。

「でも、それじゃぁ赤鬼さんが悪者になっちゃうよ」

男の子は渋りました。

「構わないよ。僕には昔、そうやって助けてくれた大事な友達がいたんだ」

それでも渋る男の子を、赤鬼は無理やり引っ張って、村へ出かけて行きました。 計画は成功して、男の子は村の人気者になりました。ところが、赤鬼は怖い鬼だ、村人たちは皆そう言って、赤鬼の家には、もう誰も訪れませんでした。

男の子はいてもたってもいられなくなって、赤鬼の家へと向かいました。赤鬼は驚いて言いました。

「もう二度とここに来てはいけないと約束したじゃないか。怖い赤鬼と一緒にいるところを知られたら、また君はひとりぼっちになってしまうよ」

男の子はぎゅっとくちびるを噛み締め、下を向いていました。その小さな肩は震えているようでした。しばらくして顔をあげた男の子は、じっと赤鬼を見つめ言いました。

「それでも僕はいいんだ。本当に僕が困っている時に助けてくれたのは赤鬼さんだもの。僕にとって一番大切な友達は、赤鬼さんじゃないか。」

赤鬼は強くなった男の子のまっすぐな目を見て、ぼろぼろと涙を流して泣き続けました。

あとがき

今日、私は大事な友達とご飯を食べに行きました。近頃元気がない私を気にして、誘ってくれたのです。私の話に耳を傾け、彼女はたくさんの言葉を伝えてくれました。

「自分も過去に同じ思いをしたことがあるから」と、彼女はそう言いました。彼女はいろいろな体験をしてきているのだけれど、その中には辛い思い出もあるのだけれど、彼女から感じるのはまっすぐで強い優しさ。私の話に、喜び、笑い、時に涙を流し、寄り添おうとしてくれる優しさでした。

また、こんなこともありました。帰り道にみていたTwitterで、私のコメントに反応してくれた方が、メッセージをくれました。背中を押してくれる温かい言葉を、何度も投げかけてくれました。その人も言いました。「同じような経験をしたことがあるから」

お会いしたことも、直接お話したこともないんですけど、そんな風にサラッと言ってくれた言葉が、私の心にじわぁっと響きました。

苦い経験や挫折を知っている人は、強い。そして、本当に困っている時に差し伸べられる手の優しさをきっと知っているんじゃないかなぁ。そう思います。だからこそ、次の誰かに優しくできるんじゃないかな。

青鬼の優しさに触れて泣いた赤鬼も、きっとそうだったんじゃないかな。

それでは今日はこのへんで。最後まで読んでくれてありがとう。

また、次のお話で。